大使室より(プラごみのゆくえ)
令和7年1月23日





プラゴミのゆくえ
1月21日の午後、短時間ですが、サモア・リサイクル廃棄物管理協会のシラファウ・イオアネ(Silafau Ioane)氏を訪問、資源ごみのリサイクルの現場を視察しました。
サモアの昔からの生活には、ペットボトルもアルミ缶も、ガラスのボトルさえも無かったはずです。しかし、都市化が進むにつれ、こうしたサモアではいままでなかったモノ、自然には分解されない物質もごみとして捨てられることが多くなってきました。こうした有害なごみはできるだけ減らし、出てしまったゴミを回収することは、この島の豊かな自然環境を保全する上でも重要な課題だと思います。
プラスチックを含む資源ごみの管理については、日本でも苦労して取り組んできた分野で、その経験を活かし、いろいろな国で技術協力を行ってきています。
この日も、現場で、JICAの技術協力で導入された機材(粉砕器、押出機など)を確認することができました。
ペットボトル等のプラスチックごみは、スーパーマーケットや学校に設置している回収箱(ケージ)に入れてもらって回収されるそう。その際、対価の支払いはありません。また、そうした回収箱が設置されているのは都市部だけ。回収率は10-15%くらいではないか、とはシラファウ氏の談。
回収後のプラスチック分別、洗浄等の作業は女性3名による手作業。
分別後に圧縮し、コンテナに入れて豪州へ輸出。そう、サモアのような小さな島国ではリサイクルは国内だけでは完結しないのです。
ラップに包むのが適当でない大きなプラごみは、破砕処理して、チップを袋詰め。
輸出量は、コンテナで年に1,2個程度。
輸送費は、今のところ無料だそう。
ちなみに、地元産のビールのガラスボトルは地元の会社が有料で回収、再利用しています。
他方、アルミ缶、ジュースなどのペットボトルは容器回収のこのような仕組みがありません。捨てられたアルミ缶も一部はここで回収され、圧縮されて再輸出されますが、他は一般ゴミと一緒にゴミの埋め立て地へ。
環境を考えれば、ビールを飲むにも、ボトルの方が良いかもしれませんね。