ウポル島における継続的な停電について(フィアメ首相の特別声明)

令和7年3月28日

ポイント

〇フィアメ首相の特別声明によれば、2025年2月以降、サモアの電力供給は3つの主な要因によって大きな混乱に直面している旨、説明がありました。
 
〇サモア政府とEPC(電力公社)は発電機の修理や購入といった対策を実施中ですが、上記対応完了には数ヶ月以上要することが見込まれています。
 
○皆様におかれましては、計画停電等の詳細情報をEPC(電力公社)のFacebook等から最新情報を収集いただくようお願いいたします。
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本文

 3月24日、フィアメ・ナオミ・マタアファ首相はウポル島の家庭、企業や村々に影響を及ぼしている電力問題の現状について特別声明を発表し、政府が支援する電力公社(EPC)はウポル島全域で信頼できる電力を迅速に復旧させている旨述べています。

1 停電の諸原因

 特別声明によれば、2025年2月以降、サモアの電力供給は3つの主な要因によって大きな混乱に直面しています。

(1)地下ケーブルの故障
   →2月23日、フィアガとフルアソウを結ぶ主要地下ケーブルに大きな故障が発生し、ウポル全域が停電した。
    2月25日には同じケーブルの別の区間でも故障が発生し、電力が復旧するまでにさらなる修理が必要となった。
(2)悪天候
   
 →3月9日の大嵐により、送電線や電柱に甚大な被害が発生し、島全域で停電が発生した。
(3)発電機の故障
   
 →3月15日、主要な発電機3台が故障し、発電量が大幅に低下した。​
     (ア)フィアガ1号ディーゼルエンジン(5MW)
   →ピストンの故障により修理が必要であり、部品不足のため10~12ヶ月かかる見込み。
     (イ)タヌガマノノNo.7ディーゼルエンジン(3MW)
   →ターボチャージャーの不具合のため修理に4週間を要する。
     (ウ)タエレファガNo.1水力発電所(2 MW)
    →ベアリングの不具合のため修理に3ヶ月間を要する。
 
 以上により、合計10MWの電力供給が途絶えたため、EPCは2025年3月16日から電力配給スケジュールを導入し、限られた電力を管理しなければならなかったとの説明がありました。

2 問題の解決策

 サモア政府とEPC(電力公社)は電力危機に対処するため、以下の対策を実施中です。

(1)緊急電力供給
   →2025年4月5日までにレンタル発電機5台(合計5)が到着し、電力不足を解消する。
(2)新しいディーゼル発電機の購入
   →政府は中国の社からディーゼル発電機2台(4)の購入を最終決定しており、2025年8月に到着する予定。
(3)既存発電機の修理
   →タヌガマノノ7及びタエレファガ1発電機の修復作業が続いており、完了すれば5の電力が追加される。
(4)再生可能エネルギーの拡大
   →10の蓄電池システムを備えた10の太陽光発電所が2025年12月に稼働し、エネルギー容量が20%増加する。

3 今後の見通しについて

 上記のとおりサモア政府とEPC(電力公社)によって電力危機への対応は継続されているものの、本声明では計画停電等がいつまで継続されるかには言及されておらず、ウポル島における継続的な停電の復旧時期は現状見通しが立たない状況です。

 皆様におかれましては、EPC(電力公社)のFacebook等から最新情報を収集いただくようお願いいたします。
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現地公館連絡先

〇在サモア日本国大使館
住所:Level 2, B-Building, SNPF Plaza Savalalo, Apia, Samoa
電話:+685-21187(代表)
https://www.ws.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html