大使室より(4年ぶりのサモアの選挙)

令和7年7月24日
街中の様子 候補者の看板
街中の様子 候補者の看板
街中の様子 候補者の看板
今、サモアでは、4年ぶりの議会選挙の準備が進んでいます。投票日は8月29日。
候補者も出揃い、選挙活動も始まり、町のところどころに候補者の写真を載せたポスターを見るようになりました。
 
サモアの選挙には日本と異なる点がいくつかあります。
 
議院は一院制。選挙区は51。一つの選挙区から一名の議員が選ばれるいわゆる小選挙区制です。面白いのは各選挙区の人口は必ずしも均等でないこと。おそらくは、各議員は各「地域」を代表するという思想に基づくものなのでしょう。その意味では、日本の衆議院選挙よりも米国の上院選挙にも似たところがあります。それだけに、各議員と選挙区とのつながりは日本より強いと言ってよいでしょう。
 
投票権を有するのは21歳以上のサモア国籍を有する人。かつては、村から「マタイ」の称号を許された人だけが投票できることとされていましたが、今は一般市民も投票できるようになりました。
 
被選挙権を有するのは、いずれかのマタイの称号を名乗ることを許された投票権を有する人。この「マタイ」のシステム、外部の人間にはよくわからないところも多いのですが、地域社会、家族社会のリーダーたちだけが議員となる資格がある、とされている点で、サモアに独特の制度です。
 
投票するには、事前に選挙人登録を行わなければなりません。選挙人登録を怠ると罰金が科されます。そして、選挙人登録をしたからには、原則投票しなければなりません。理由無く投票しないとこれもまた罰金! 投票率が5割を下回るどこかの国とは感覚がかなり違うようです。
 
今回の選挙、191人の立候補者、7つの政党が乱立する選挙となりました。日本でも先日参議院選挙が実施されたばかりですが、果たしてサモアではどうなるでしょうか。