大使室より(ノニ・ジュースの話)

令和7年11月27日
鈴木大使
ニコ・ヴイさん
ノニジュース
ノニ・ジュースの話

ノニ・ジュースを製造・販売する会社がサモアにある、というので、先日、見学に行ってきました。
自社製のノニ・ジュース1リットル入り瓶を自慢げに手にしているのは、ニコ・ヴイさん。ノヌ・サモア合同会社の常務取締役、最高財務責任者(CFO)です。ニコさんは、11歳のときに福岡でホームステイを経験。以来、日本との関わりが深く、サモアに戻る1年半ほど前までは東京のサモア大使館で商務担当をしておられたそう。日本語も非常に堪能。「ノヌ・サモア」はお爺さまの代に創業され、ご両親が経営を受け継いでいた会社。今はここの経営に全力で取り組んでおられますが、機会があれば、今後も日本のビジネスとの橋渡し役として、役に立ちたい、とおっしゃっていました。
 
日本では、「ノニ」といってもあまりなじみがないかもしれませんが、インドネシア原産の植物で、東南アジアやオーストラリアなどの熱帯・亜熱帯地域に生育する常緑樹になる果実です。日本でも、沖縄県や東京都の小笠原諸島などで育つようです。
 
実は、「ノニ」という名前は、ハワイでの呼び名。サモア、トンガ、クック諸島では「ノヌ」と呼ぶのが普通だそう。このほかにも、モリンダ、ヤエヤマアオキ、インディアン・マルベリーなどいろいろな名前で呼ばれているとのこと。学名は「モリンダ・シトルフォリア」ここでは、日本でも広く使われる「ノニ」の呼称で呼ぶことにします。ここから得られるエキスは、古くから各地で染料や薬として使われており、インドネシアでは「医者いらずの木」、ポリネシアでは「神からの贈り物」と呼ばれて親しまれてきました。
ノニには、天然アミノ酸やビタミンB群、ミネラルなど有効成分が140種類ほど含まれていて、生活習慣病の予防や改善、感染症予防、美肌効果など、いろいろな効果が期待できるのだそうです。
 
同社では、無農薬で栽培、採取されたノニの果実を自然に発酵させ、実を砕いて絞り、さらに醸造発酵させて取り出したエキス(つまり、ノニ・ジュース)を大きな1000リットル入りの箱に詰めて、韓国、米国、日本などに輸出しています。国内向けにも瓶詰めの製品を出荷しています。
 
私もその場で試飲させていただいたのですが、まったく加工されていない原液のノニ・ジュースは、塩味のない醤油、のような感じでやや癖のある味でした。なお、日本向けには飲みやすくパイナップルジュースをブレンドしたものを販売する計画があるそうです。
健康サプリとして流行るといいですね。