大使室より(サモアの安全保障「平和」について)
令和8年4月8日
Talofa lava! (皆様、こんにちは!)
駐サモア日本国特命全権大使の鈴木亮太郎です。
日本という国は、皆様から見て遠い北半球の東の島国であり、その安全保障を取り巻く環境は、サモアの皆様のそれとは大きく異なるかもしれません。私たちは今、防衛政策の大きな見直しを行い、国の安全を守るための議論を重ねています。これは、地政学的な位置や、近隣諸国との関係、そして現代の国際情勢が、私たちに多くの課題を突きつけているためです。
私は、日本国大使としてこのサモアの地に赴任してから早くも1年半近くになりますが、激動する昨今の国際環境の中で、皆様が享受されている「平和」というものが、いかに尊く、そして世界にとって示唆に富むものであるかを日々実感しています。
皆様の安全保障環境を語る上で、第一に挙げられるのは、この広大な太平洋が与える恵みでしょう。サモアは、世界の主要な紛争地帯や、軍事的な緊張が続く地域から、地理的に隔絶されています。この「距離」こそが、これまで皆様が大規模な武力衝突に巻き込まれることなく、穏やかな暮らしを営んでこられた大きな要因であると私は思います。私たちは、島国であるという共通点を持っていますが、その置かれた地政学的な状況は、大きく異なります。
そして何よりも、サモアの平和の源泉となっているのは、他ならぬ「ファア・サモア (Fa'a Samoa)」の精神です。私は、皆様の社会に深く根ざしたこの伝統的な価値観に、心からの敬意を表します。家族(aiga)を重んじ、共同体(nu'u)の調和を尊び、対話と相互理解を通じて紛争を解決しようとする皆様の姿勢は、私たち日本人が「和」の精神と呼ぶものに通じるものがあると感じています。しかし、サモアにおいてはそれが、国家の安全保障の基盤そのものとなっている点で、非常に独特であり、学ぶべき点が多いと感じています。軍事力に頼るのではなく、文化と伝統が平和を守る盾となっている、その事実に私は深く感銘を受けています。
皆様の国が「軍隊を持たない」という選択をしてきたことも、注目すべき点です。これは、決して無防備であるということを意味するのではなく、警察組織や、長年にわたるニュージーランドやオーストラリアといった友邦との信頼関係、そして太平洋島嶼国フォーラム(PIF)を通じた地域協力によって、国家の安全が維持されていることの証です。武器ではなく、信頼と協力こそが真の安全保障であるという、皆様の信念を、私は深く理解し、尊重いたします。
もちろん、現代の安全保障は、従来の軍事的な脅威だけを指すものではありません。サモアの皆様が直面されている気候変動の脅威、そして経済的な脆弱性もまた、安全保障上の重要な課題です。これらの課題に対して、日本は長年にわたり、開発援助や技術協力、そして気候変動対策への支援を通じて、皆様と共に歩んでまいりました。私たちはサモアのよき友人として皆様が直面する非軍事的な課題にも、引き続き寄り添い、共に解決策を探っていく所存です。
サモアが享受する「平和」は、単なる偶然ではなく、皆様の地理的条件、そして何よりも「ファア・サモア」という独自の文化と価値観、そして非武装という賢明な選択によって、培われ、守られてきたかけがえのないものです。
日本は、サモアの皆様が大切に育んでこられたこの平和な社会を、深く理解し、尊敬しています。これからも、日本はサモアの真の友人として、平和と繁栄に向けた皆様の努力を支援し、二国間の友好関係を一層深めていくことをお約束いたします。
この美しいサモアの島々が、これからも永く平和と幸福に満ちあふれることを心からお祈り申し上げます。
Fa'afetai tele lava. (本当にありがとうございました。)
駐サモア日本国特命全権大使の鈴木亮太郎です。
日本という国は、皆様から見て遠い北半球の東の島国であり、その安全保障を取り巻く環境は、サモアの皆様のそれとは大きく異なるかもしれません。私たちは今、防衛政策の大きな見直しを行い、国の安全を守るための議論を重ねています。これは、地政学的な位置や、近隣諸国との関係、そして現代の国際情勢が、私たちに多くの課題を突きつけているためです。
私は、日本国大使としてこのサモアの地に赴任してから早くも1年半近くになりますが、激動する昨今の国際環境の中で、皆様が享受されている「平和」というものが、いかに尊く、そして世界にとって示唆に富むものであるかを日々実感しています。
皆様の安全保障環境を語る上で、第一に挙げられるのは、この広大な太平洋が与える恵みでしょう。サモアは、世界の主要な紛争地帯や、軍事的な緊張が続く地域から、地理的に隔絶されています。この「距離」こそが、これまで皆様が大規模な武力衝突に巻き込まれることなく、穏やかな暮らしを営んでこられた大きな要因であると私は思います。私たちは、島国であるという共通点を持っていますが、その置かれた地政学的な状況は、大きく異なります。
そして何よりも、サモアの平和の源泉となっているのは、他ならぬ「ファア・サモア (Fa'a Samoa)」の精神です。私は、皆様の社会に深く根ざしたこの伝統的な価値観に、心からの敬意を表します。家族(aiga)を重んじ、共同体(nu'u)の調和を尊び、対話と相互理解を通じて紛争を解決しようとする皆様の姿勢は、私たち日本人が「和」の精神と呼ぶものに通じるものがあると感じています。しかし、サモアにおいてはそれが、国家の安全保障の基盤そのものとなっている点で、非常に独特であり、学ぶべき点が多いと感じています。軍事力に頼るのではなく、文化と伝統が平和を守る盾となっている、その事実に私は深く感銘を受けています。
皆様の国が「軍隊を持たない」という選択をしてきたことも、注目すべき点です。これは、決して無防備であるということを意味するのではなく、警察組織や、長年にわたるニュージーランドやオーストラリアといった友邦との信頼関係、そして太平洋島嶼国フォーラム(PIF)を通じた地域協力によって、国家の安全が維持されていることの証です。武器ではなく、信頼と協力こそが真の安全保障であるという、皆様の信念を、私は深く理解し、尊重いたします。
もちろん、現代の安全保障は、従来の軍事的な脅威だけを指すものではありません。サモアの皆様が直面されている気候変動の脅威、そして経済的な脆弱性もまた、安全保障上の重要な課題です。これらの課題に対して、日本は長年にわたり、開発援助や技術協力、そして気候変動対策への支援を通じて、皆様と共に歩んでまいりました。私たちはサモアのよき友人として皆様が直面する非軍事的な課題にも、引き続き寄り添い、共に解決策を探っていく所存です。
サモアが享受する「平和」は、単なる偶然ではなく、皆様の地理的条件、そして何よりも「ファア・サモア」という独自の文化と価値観、そして非武装という賢明な選択によって、培われ、守られてきたかけがえのないものです。
日本は、サモアの皆様が大切に育んでこられたこの平和な社会を、深く理解し、尊敬しています。これからも、日本はサモアの真の友人として、平和と繁栄に向けた皆様の努力を支援し、二国間の友好関係を一層深めていくことをお約束いたします。
この美しいサモアの島々が、これからも永く平和と幸福に満ちあふれることを心からお祈り申し上げます。
Fa'afetai tele lava. (本当にありがとうございました。)