大使室より(アウファガ村での引き渡し式)
令和8年10月2日
引き渡し式でのテープカット
新設された10万リットル容量の貯水タンク
引き渡し式前日に、「津波レディ」の村の一つに認定され表彰されているアウファガ村の人々
アウファガ村での引き渡し式
先日、私はサモア南部に位置するアウファガ村を訪れ、日本政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力によって完成した「アウファガ村水供給システム改善計画」の引渡し式に出席してきました。
今回のプロジェクトにより、10万リットルの新しい貯水タンクが建設され、周辺にはフェンスが設置され、取水システムも修復されました。これにより、以前からの課題であった貯水容量の不足が解消され、村の皆さんの安定した水利用と公衆衛生の改善に貢献することが期待されています。アウファガ村水道委員会と独立水道スキーム協会が緊密に連携し、このプロジェクトを成功に導かれたことに、心からの敬意を表したいと思います。
アウファガ村の皆さんと共に式典の喜びを分かち合う中で、私はこの村が乗り越えてきた歴史を思い起こしていました。今から17年前の2009年9月29日、サモアの南側の海溝部で発生した大規模な地震とそれに伴う津波は、サモア南岸部に甚大な被害をもたらしました。サモア全体で尊い命が多数失われ、多くの沿岸部の村々では、住居や建物が根こそぎ破壊されました。「村の中に残った建物は教会堂だけだった」と語り継がれる地域もあるほどです。アウファガ村もまた、このような壊滅的な被害を受けた村の一つです。
そのような厳しい経験を持つアウファガ村が、生活基盤の向上を目指す一方で、防災、特に津波に対する「レディネス(準備)」に積極的に取り組んでいることにも、深い感銘を受けました。奇しくも、この水供給システムの引渡し式前日には、アウファガ村はサモア国内でUNESCOのガイドラインを満たす「津波レディ」に認定された17の村の一つとして表彰されていました。実際、現地でも、津波の際の住民の避難経路を示す看板等を確認することができました。
日本もまた、津波によって幾度となく甚大な被害を受けてきた国であり、防災への「レディネス」の重要性を誰よりも深く認識しています。2009年の悲劇を乗り越え、このような先見性と献身をもってコミュニティの安全を守ろうと努力されているアウファガ村の皆様の取り組みは、私たち日本人にとっても、また世界中の人々にとっても、かけがえのない教訓と希望を与えてくれるものです。
アウファガ村の皆様の更なる発展と、日・サモアの絆が一層深まることを心から願っております。